退職金ってどのくらいもらえるのかな?
途中でやめてももらえるの?
退職金は計算方法に当てはめればわかります!
実際に計算して退職後の計画に役立てましょう!
この記事では退職金の計算方法を解説します。
早期退職の場合の金額も紹介するので、定年まで仕事したくない公務員も必見です。
公務員になってからもらえる最大のお金は退職金です。
実は公務員の退職金は計算式が決まっていて、働く年数が1年違うだけで大きな差額が出ることがあります。
この記事を読むと
- あなたがもらえる退職金の計算方法
- 早期退職した時の退職金
- 退職金の上手なもらい方
がわかります。ぜひご覧ください!
退職金の計算方法
退職金を算出する計算式はさまざまな要素が絡んできます。
少し複雑なので、分解してわかりやすく解説します。ゆっくり計算しましょう!
- 退職金=基本額+調整額
- 基本額=退職日の俸給月額×支給割合×調整率(0.837)
- 支給割合=退職理由・勤続年数によって決定
- 調整額=調整月額×在職月数(最大60)
計算式① 退職金=基本額+調整額
退職金は基本額と調整額を合わせた金額になります。基本額が主で、調整額はおまけ的なイメージです。
計算式② 基本額の算出
最も重要な基本額は、『退職日の俸給月額×支給割合×調整率(0.837)』の計算式で算出できます。
『退職日の俸給』は給料明細の「◯級・◯号」の部分の金額で、いわゆる基本給のことです。階級や在職年数によっても大きく異なります。
『調整率』は官民格差を是正するために定められた割合で、5年ごとに改正されます。現在は83.7%です。
計算式③ 支給割合
『支給割合』はこちらの表に当てはめて割り出します。計算は不要です!
ちなみにこちらは神奈川県職員の表ですが、どの自治体も基本的には国家公務員と同様の表を用いています。
例えば、11年目の職員が自己都合で退職するとき「支給割合は7.43256」となります。
↑クリックして拡大表示(退職手当支給率一覧表)
ここまでの数値を式に当てはめて計算してみます。(例)15年在職の職員を想定
退職日の俸給=280,000円
支給割合 =12.88143
調整率 =83.7%
退職金基本額=280,000×12.88143×0.837
=3,018,892円 となります。
これで基本額は算定できましたね!もう少し頑張りましょう!
計算式④ 調整額
『調整額』は「調整月額×在職月数(最大60)」で計算します。
こちらは行政職職員の一覧表ですが、これも自治体によって異なりますので注意が必要です。
ですが、大体はこんな感じで大差ないのでこちらで参考金額を計算してみましょう。
1番下の区分の3級というのは、係長級の職員から適用されることが多いです。
そのため、若手の職員の場合は調整額0ということもありますので、その場合計算は不要です。
『調整月数』はこの表の中で在職した月数になります。
例えば、3級(係長級)を10年、その後4級を3年在職し退職したとすると
27,100×18 + 21,700×42
=487,800円 + 911,400円
=1,399,200円
が調整額となります。
これで調整額も計算できました!
ルールがわかってしまえば計算自体は簡単です!
ここまで紹介した計算はすべて標準的なものです。
地方公務員は自治体によって異なる場合があるので、正確な金額を知りたい方は確認が必要です。
早期退職職員の退職金 5年、10年、20年 を実際に計算!
退職金なんて先のことすぎて想像できないよ!
いまやめたらどうなるのか気になる!
ということで、実際に計算してみましたので参考にしてください。
税金も除外しており、あくまで目安なのでご注意ください。
在職何年目から退職金をもらえる?
在職1年から退職金をもらうことは可能です。
また、半年勤めると繰上げでカウントされるので実質在職半年から退職金をもらうことが可能になります。
その場合、試用期間が含まれるかどうかも注意する必要もあります。
5年在籍の職員 約37万円
基本額=180,000×2.511×0.837
=378,307円
調整額=なし
10年在籍の職員 約149万円
基本額=240,000×7.43256×0.837
=1,493,052円
調整額=なし
意外と少ないなぁ
20年在籍の職員 約588万円
基本額=300,000×21.3435×0.837
=5,359,352円
調整額=21,700×24
=520,800円
合計 5,880,152円
上手な退職金の受け取り方
退職理由によって金額が変わる
計算式③の基本額の支給割合が退職金に大きく関わってきます。
支給割合を上げる注意点として
- 11年、16年、21年で割合がおおきめに上がる
- 正式退職か自己都合退職かどうかで大きな差になる
まず、11・16・21年では毎年1程度しか上がらない支給割合が2以上あがります。
正式退職か自己都合退職かを在職25年で比べると、支給割合は5以上開きがあります。
これは単純計算で5ヶ月間の給料分くらい退職金額が違うということです。
この近辺に退職を考えている方は少し考えてもう半年、もう一年頑張ってみるのもいいかもしれませんね!
退職金にかかる税金と退職金控除
公務員の退職金は所得税及び住民税の課税対象になります。
が、結論から言うと税金はそこまで気にする必要はありません。理由は退職所得控除が大きいからです。
「控除額」とはいわゆる「その分は課税されませんよ」という金額です。
税金の計算に必要なのは所得税計算、住民税計算、退職所得控除計算の3つです。
①所得税:(課税退職所得金額×税率-控除額)×1.021
②住民税:(退職手当額-退職所得控除額)×1/2
③退職控除
・勤続年数が20年以下:勤続年数×40万円(80万円未満の場合は80万円)
・勤続年数が20年以上:(勤続年数-20)×70万円+800万円
基本額=240,000×7.43256×0.837
=1,493,052円
調整額=なし
退職控除=10×40=400万円
課税対象:1,493,052 – 4,000,000 = 0
所得税:0円
住民税:0円
基本額=300,000×21.3435×0.837
=5,359,352円
調整額=21,700×24
=520,800円
合計 5,880,152円
退職金控除:0×70+800=800万円
課税対象:5,880,152 – 8,000,000 = 0
所得税=0円
住民税=0円
基本的には退職所得控除内で退職金をもらう場合が多いので、そこまで税金を心配する必要はありません。
退職金に対して税金は発生しますが、退職金の支払の際に「退職所得の受給に関する申告書」を提出している場合、源泉徴収された額が支給されるため特段の手続きは必要ありません。
一方で「退職所得の受給に関する申告書」の提出がない場合は、退職金の支払い金額の20.42%の額が源泉徴収されますが、確定申告をして税金の清算をする必要があります。
退職後もっと豊かに遊びまくる方法
退職金は年々減少しており、10年間で最大400万円減額されている自治体もあるようです。
退職金減少のながれは今後も継続していくので、資金のすべてを退職金に頼るのは少しリスキーかもしれません。
そうならないためにも、自分で資金を作っていく3つの候補をお伝えします。
つみたて投資(NISA)
退職後の資金を捻出するなら「つみたてNISA」がおすすめです。
投資は資産運用とも呼ばれ、あなたが投資したお金を使って企業が利益を上げ、その利益について還元を受けたりするものです。
つみたてNISAは長い期間積み立て貯金のように毎月定額を投資していくシステム
利益に対して非課税で、かつリスクも小さいので多くの人が利用しています。
私も積み立てNISAをやっていますが、2023年8月現在約40万円の利益が出ています。
インフレのリスクもあるので、貯金よりははるかに合理的な選択でかなりおすすめです。
詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
副業
副業収入を得ることができれば退職後に有利なだけでなく、様々なメリットがあります。
- 退職後の資金形成がはかどる
- いま使えるお金が増える
- 自分の力で稼ぐ能力が身に付く
- 拡大すれば公務員をやめる選択もできる
あれ?公務員は副業禁止なのでは?
と思う方も多いですが、実は許可されている副業もあり、全てが禁止というわけではありません。
興味のある方はこちらもご覧ください。
転職活動
「退職したいけど、退職後のお金事情が不安」ということは
裏を返せば「他の収入源があれば解決する」ということです。
そうなると手っ取り早いのが再就職です。再就職できればひとまず、お金の心配は無くなります。
やってみたい仕事や職種がある方は一度転職エージェントに相談してみることをおすすめします。
「転職」にリスクはありますが「転職活動」はノーリスクです。
あなたの市場価値を見極めるためにも一度、転職『活動』だけでもやってみることをおすすめします。
まとめ
退職金の計算方法を紹介しました!
一見難しそうだけど、やってみると意外と簡単だってことがお分かりいただけたかと思います。
- 退職金=基本額+調整額
- 基本額=退職日の俸給月額×支給割合×調整率(0.837)
- 支給割合=退職理由・勤続年数によって決定
- 調整額=調整月額×在職月数(最大60)
退職金をうまく受け取るには「支給割合」が大きく関わってくることがわかったかと思います。
また、もらった退職金は税金でかすめ取られないように退職金控除をしっかり活用しましょう。
- 11年、16年、21年の節目をで支給割合が大きめに上がる
- 退職理由に注意する(自己都合が1番低い)
- 退職金控除を活用し、税金を抑える
退職金は年々減少傾向で、自分で資金を準備することも重要です。
たった一度の人生なのでお金に困ることなく、パーっと遊んで暮らしたいですよね!
- つみたてNISA
- 副業
- 転職活動